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宗祇水(別名白雲水)
「日本名水百選」の第1号に指定された湧水です。 文明3年(1471)連歌の宗匠・飯尾宗祇が郡上の領主である東常縁から古今伝授を受けて京へ戻るとき、当時の2大歌人であるふたりが、この泉のほとりで歌を詠み交わしました。
「もみじ葉の 流るるたつた白雲の 花のみよし野思ひ忘るな 常縁」
「三年ごし 心をつくす思ひ川 春立つ沢に湧き出づるかな 宗祇」
郡上八幡城
永禄2年(1559)遠藤盛数によって築城され、310年間、5家18代の居城となりました。禄高は3万石から4万8千石の山国の小藩でした。
江戸時代中期から明治維新にいたるまでの110年間は青山氏が治め、東京・青山の地名は郡上藩江戸屋敷がここにあったことのなごりです。
城下町の家並み
職人町、鍛冶屋町といった町名の古い家並みとその軒先をほとばしるように流れる水路があります。
町割りは寛文年間(1660年ごろ)に整備されたされたもので、そののちも2度の大火に見舞われ、町中を縦横にはしる水路は実は防火目的のものでした。
また城下の防禦のため辻のつきあたりには「8家9宗」の寺が配置され、現在も狭い町ながら13の寺が甍を連ねます。
吉田川
長良川最大の支流が市街中央を流れます。宮が瀬橋は川底の石が数えられるほど透きとおった水の流れで、新橋は渦を巻く瀬めがけて子供たちが橋の上から飛び込むことで知られています。
川岸づたいに「宮が瀬こみち」という親水遊歩道が下流の方へ延びており、川風を頬にうけ、せせらぎを聴きながらのんびり散歩をするのが至福の一時です。
長良川
長良川は天然鮎をはじめサツキマスやアマゴが銀鱗をきらめかせて遡上する日本屈指の清流です。
川の流れとともに流域には郡上本染め、草木染め、美濃和紙、そして鵜飼いなどの清流が育んだ独自の工芸、文化を持ち、名だたる川といえます。
水の町
環境庁が名水の町に指定したことで一躍有名になった郡上八幡ですが、先の「宗祇水」の他にも代表的な水景観があるのでご案内します。
水船
郡上八幡特有の水利用です。湧水や山水を引き込んだ2槽又は3槽のうち、最初の水槽が飲料や食物を洗うのに使われ、次の水槽は食器などの洗浄。そこで出たご飯つぶなどの残りはそのまま下の池に流れて鯉や魚のエサとなり、水は自然に浄化されるしくみになっています。
ほとんど個人の敷地内にあるので、なかなか目にふれず、観光用設置のものもあり、町歩きで乾いた観光客のノドをうるおすのに一役もかっています。
いがわこみち
郡上八幡旧庁舎記念館の横にある鯉や川魚が泳ぐ豊かな用水です。
民家の裏手を流れ、夏になればスイカが冷やされオトリに使う鮎が篭に入れてあったりする光景も。洗濯場が3ヶ所ありおばさんたちの社交の場でもあるのですが、その数は昔と比べると減ったみたいです。
川に魚がいる、川の水でものをすすぐ、なんてことはごく当たりまえのことなので水がきれいな証拠です。
慈恩寺
慶長11年(1606)に城主遠藤慶隆によって建立された古刹。庭園はつつじの刈りこみや池をおおう楓の大樹が美しく、静寂の中を滝の水音が響く幽玄な禅宗庭園。特におすすめは5月の滴るような新緑と11月の紅葉の季節です。
やなか水のこみち
繁華街の(なんていうとエッこれが、と笑われるかもしれませんが)新町から角を曲った町なかの一服の清涼剤のような路地。
玉石を敷きつめた道と水路、柳の並木、大きな家屋敷。歩いている人がみんなちょっといい顔になる小道です。 この道をはさんで「奥美濃おもだか家民芸館」「斎藤美術館」「アートギャラリー遊童館」「ロートレック美術館」があります。
奥美濃おもだか家民芸館
鮎の画家として名高い水野柳人が集めた、この地方の民芸品を展示しています。
斎藤美術館
茶人であった斎藤家のお茶道具、書画を展示。母屋の建物は国の登録文化財に指定されています。この地方の民芸品を展示しています。茶室の脇には水琴窟(すいきんくつ)もあり妙なる音色を聞くこともできます。
アートギャラリー遊童館
画家であり造形作家の水野政雄氏の作品館。和紙の造形や折り紙で大人も童心になって楽しめるユニークな館です。
ロートレック美術館
和風ロフト風の建物に展示されたフランスの版画家ロートレックの作品館。
郡上八幡博覧館
大正時代のレトロな建物の中に「水」「わざ」「踊り」などのテーマ別に郡上八幡の魅力を紹介しています。
市街地の入口、観光駐車場の近くなので最初にここを訪れると、この町への理解が深まります。
食品サンプルの町
おいしさを「目」で伝える食品サンプル。レストランのショーウィンドーを飾るおなじみのものですが、もともとこのアイデアはこの町で起こり、今でも全国生産の7割を誇っています。
「思わぬものが思わぬところで…。」という感じ。市内には業界最大手の岩崎模型の「めずらしショールーム岩崎」や古い民家を利用した「さんぷる工房」などの、展示販売や製作体験施設があります。
郡上つむぎと郡上本染め
郡上八幡の代表的な伝統工芸。郡上つむぎは市街地の北郊、初音の里で人間国宝の故宗広力三氏によって創造されたものです。 郡上本染めは江戸時代から14代続く菱屋渡辺庄吉氏に伝承されている岐阜県指定の重要無形文化財です。 1月の厳寒のなかで行われる郡上本染めの寒ざらしだけは、日程が前もって知らされ、一般に公開されます。(日程の問い合わせは観光協会へ)
大滝鍾乳洞
郡上八幡の街から山ひとつ隔てた安久田地区にある観光鍾乳洞。洞内には地底の滝としては日本一の高さを誇る王滝や30メートルの高さを4段になって落ちる四段の滝(残念ながら非公開)があり、豊富な地下水が創り出したさまざまな鍾乳石の造形が見られます。
長良川ラフティング
急流をゴムボートで下る北米で人気のアウトドアスポーツで、郡上八幡から下流の美並まで流域の景色の一番いい所をスリル満点に下ってゆきます。
リーダーの指令のもとでオールを操りながら波たぎる早瀬を縫うように下れば文字どおり天下の清流を肌で感じる体験になります。
フィールドミュージアム古今伝授の里
中世の古今集研究の第一人者であった東常縁ゆかりの地大和町にある「和歌」をテーマにした学術施設です。
和歌文学館、東氏記念館、大和和歌文庫などの建物がまわりの山々と一体になって散在し、伝統文学を視覚と自然風景の体感を通して理解するユニークな野外博物館です。
せせらぎ街道
郡上八幡と飛騨高山を結ぶ観光ルートですが、いくつもの川の源流地帯と白樺、カラマツの樹林を縫って走る景観の美しさで知られています。
特に紅葉の素晴らしさは多くの人を魅了します。あんまり観光バスなんかに連なって来てほしくない感じのする、そっとしておきたい高原です。